Josh Hartnett fan page

ARTICLES

Hartnett at Home

Source:Star Tribune TEXT:Colin Covert / 翻訳:kikiさん

ジョシュ・ハートネットは映画スターらしくない人だ。

彼はエゴの塊でもなければ、お抱え運転手もボディガードもいない。見てくれと 言わんばかりの態度もとらないし、有名になったからといって親友らを見捨てた りはしない。彼はマリブよりもミネアポリスに住むのを好み、映画を作ることよ りも大事なことがあると考えている。

にもかかわらず、彼はジュディー・ガーランドがイエロー・ブリック・ロードを 駆けおりて以来のミネソタ出身の一番ホットな映画スターである。ワーナーブラ ザーズは彼にスーパーマンのタイツを履いてもらおうと4000万ドル提示したと伝 えられている。(彼は丁重に断っている。)

水曜日、彼は大事な任務のためいつもの控えめな態度をくずすことになる。ハリ ソンフォードと共演した彼の最新アクションコメディ、「Hollywood Homicide」のワ ールドプレミアのホスト役を務めるのだ。このプレミアは地元の幼児虐待センタ ーのチャリティーを兼ねている。

まだ24歳。その最新作の監督を務めたロン・シェルトンは「彼には無限大のすば らしい将来が待っているよ。」という。また、ハートネットを大スターにした映 画「パール・ハーバー」、「ブラック・ホーク・ダウン」をプロデュースしたジ ェリー・ブラッカイマーは、ハートネットのキャリアは「ジョシュの思うがまま 」だろうという。

このようにキャリアを歩んでくれば運に恵まれない俳優らに妬まれたりすること も多いだろう。高校時代の敵を見に行って成功をひけらかすこともできる。もっ とも彼は敵はいないようだし、自慢するようなタイプでもないが。彼はごく普通 の青年なのだ。

2年前のハロウィンの日、ミネアポリスのケンウッド近郊に住んでいた彼は自らお 菓子を配っていた。驚いた少女達は衣装を着替えてまた彼のうちを訪ねたという 。

最近のことだが、ある日の午後、ハートネットはニコレットアベニューのコーヒ ーショップにふらりと立ち寄った。ボサボサの髪でリサイクルショップで買った ような服を着ていた。彼は店員と雑談をして、ブラックコーヒーを注文したとい う。彼にはスターダムを駆け上るだけの素質がたくさんある。よろめくような魅 力と、思わず警戒を緩めてしまうような誠実さ、少年のようなひたむきさを持っ ているのだ。

何より彼は真面目である。水曜日、Edinaにあるメガスター・シネマで行われるプ レミア(チケット35ドル)ではミネアポリス児童虐待センター、コーナーハウス へ基金を募る。これは、そのセンターが政府の支出削減に遭っていることを地域 社会に知らしめるという意味もある。

「大きな福祉活動をしているんだけど、人々はあまりそのことを話題にしたがら ないんだ」と彼はそのセンターについて説明した。

これはハートネットがコーナーハウスの役員の娘が高校時代の友人だったことか ら始まった。施設を見学した彼は協力することを決めた。

「僕が一番驚いたのは子供達のうち何人かは体のパーツの名前すら知らないほど 幼いってことだよ。だから解剖学的に正確に作られた人形を使って、子供達は何 が起こったかを伝えるんだ。そんな状況を見てたら・・・」

彼は言葉もなかった。

コーナーハウスの局長は言う。「ハートネットはただ笑顔で立ってるだけの人じ ゃないの。彼は自ら訪ねてきてくれて私達の活動について学んでいた。自分の口 で話せるようにってね。すばらしいことだと思うわ」

ハートネットはこれからもその活動をサポートするためにミネソタで彼の映画の プレミアをするつもりだという。「ずっとホットでいられるわけではない」と自 分のはかない名声を利用して価値のあることを成し遂げようとしているのだ。

「あのMusketeerの理想主義は見せかけではない」とハートネットを2度軍人のヒ ーローにキャスティングしたブラッカイマーは言った。

「神と国のために尽くしたこれらの若い軍人の持つ純真さ、誠実さ、強さ、威厳 、率直さを具体化する人物を探していたんだ」

「50フィートのスクリーンは正直だよ。彼の目をみると彼こそがその人物だと信 じるはず。それは彼自身がそういう人だから。まっすぐでひたむきな青年なんだ よ」

ハートネットはセントポールのリベラルな家庭で不動産業者と芸術家の間に4人の 子供の1人として生まれ育った。

彼は友人らと共に高校2年のときCretin-Derham HallからミネアポリスのSouth High School に転校した。ひざのけがでフットボールができなくなったとき、彼の叔母が演劇 を薦めた。

15歳のとき彼はYouth Performance Companyに入り、すぐに「トムソーヤー」のハ ックルベリーフィンの役を得た。その劇場の誰もがハートネットについて2つの ことを覚えている。掲示板に貼られた彼の顔写真はいつも女の子のファンに盗ま れていたこと、そして彼が穏やかで思いやりのある誠実な人だったということだ 。

市民権に関する演劇で彼と共演したShuwn McDearmonは言う。「ジョシュと話して てわかったんだけど、(1960年代のFreedom Ridersによるデモで示されたような )ああいう愛、献身、情熱といったものに彼はすごく感動してたよ。ほんとに僕 達は毎晩泣いてたんだ。若者としてああいった思いやりや洞察力があるっていう のはすごいことだと思う。」

またプロダクションのマネージャー、Mitchell Frazierは「ハートネットはセッ トを組み立てるときになると仕事からいつも逃げていたけど、演技に対しては真 面目に取り組んでいた」と振り返る。

「angst(不安の意)っていう言葉を辞書で引いたらジョシュがどんな人物かが載 ってるよ。でもショーが始まったとたん、彼は笑顔になるんだ。」

ハートネットはステージでは輝いていたが、自ら認めているように勉強に熱心な 生徒ではなかった。

「あるとき父さんが、僕は勉強なんてしないだろうから普通の大学にはやらない けど、芸術学校になら行かせてやるっていったんだ。結果としてほんとにそうい うことになった。」とハートネットは言った。

1996年に高校卒業後、彼はニューヨーク州立大学に入学した。4ヶ月も願書を出す のが遅れたという。彼の大学生活はたった数ヶ月しか続かなかった。

「僕は空想的というかなんか勘違いしてる奴だった。ハリウッドはペンキのバケ ツや長いはしごをもった人が歩いてるようなところだと思ってたんだ。自分が入 っていってもすぐに受け入れてもらえるようなところだろうってね。」

でも彼の思い違いはそれほど間違ってもいなかった。2週間以内にABCは1時間ドラ マ「Cracker」の主役に彼を起用する。問題を抱えた刑事の息子役だった。

「全国放送での僕の初めてのシーンはトイレに座ってるところだったんだ。(そ んなシーンをやったんだから)ここから先は上り坂だけだよ、って父さんは言っ てくれた」

Seinfeldと同時間帯だったその番組はキャンセルされてしまったが、ハートネッ トは初めての映画「Halloween 20」「パラサイト」を撮影した。それらは大ヒッ ト作にはならなかったが、彼は自身の存在を強くアピールし、続けて10作品に出 演することになる。

しかし彼はいつも自分のルーツに近いところにい続けている。彼が「パールハー バー」に主演する大きな決断をしたのは庭で車を洗っているとき父親と相談して いるときだった。2001年に「ブラックホークダウン」の撮影が終わると、彼は1年 間休みを取った。「人として自分がどういう人間かを知るため」そして「俳優業 での自分の選択、1個人としての自分の選択における大きな失敗」から回復するた めだった。

彼は明確にしたがらないが、高校時代のガールフレンドと寄りを戻す前に、モデ ルや女優との恋愛関係が噂になった。

ソマリアでのアメリカ軍の惨事を描いた「ブラックホークダウン」の撮影は貴重 で有益な経験として彼の心に刻まれた。ひどい貧困状態のモロッコでの5ヶ月間の 撮影は「人生観を変えてしまうような体験だった」とハートネットは言う。彼は 親達が自分の子供にうまく物乞いをさせようとしているのを知って衝撃を受けた 。

そのような悲惨な貧窮を目の当たりにして、困惑し無力さを感じていたハートネ ットだが、自国の政策にははっきりとした意見を持っている。彼はPaul Wellstone を支持する活動的な自由党員である。昨年10月、そのミネソタの上院議員の死に ショックを受けた彼は、「Hollywood Homicide」の撮影を休んで追悼式に出席し ている。

Wellstoneは「政策のあらゆるレベルにおいて僕が賛同している唯一の人だったか らショックだったよ」と彼は言った。また彼は、音楽界のエグゼクティブ、Danny Goldberg とともに、左派に欠けていると考えている若々しい活力と理想主義を取り戻す方 法を探って、ニューヨークでフォーラムを行うことを計画している。

今ハートネットはミネアポリスの新居に住んでいる。また絵画を始めようか、「 知的な友人ら」から薦められたいろいろな本を読もうかなどと考えているところ だ。彼の愛読書のひとつにDostoyevskyの「白痴」がある。近代的な世界でキリス トのように生きようとした男の物語だ。

彼はまた映画制作でハンター・トンプソンの「The Rum Diaries」を手がけようと している。その作品には彼自身と、ジョニー・デップ、ベネチオ・デル・トロ、 ニック・ノルテが出演する。彼はできればその企画をミネソタに持ち込みたいと 考えている。

「そうすれば自分の慣れ親しんだ場所で仕事ができるからね。それってベストな ことじゃないかな」

Articles / Home